1985年、神奈川県生まれ。ヴィーナスジャパン代表取締役。高校卒業後、フロリダ大学で運動生理学・解剖学を学び、NSCA-CSCS(公認コンディショニングスペシャリスト)およびACSM-CPT(公認パーソナルトレーナー)の資格を取得。帰国後は女性のボディメイクやダイエットの指導を行い、2015年には女性専用フィットネスジム「SPICE UP FITNESS」を設立し、現在は全国に5店舗を展開。全国のセミナーで講師を務める他、テレビや書籍などのメディア出演も多数。
「日本の女性が、社会的な期待という呪縛から解き放たれ、自分らしく輝いてほしい」
そう語るのは、女性専用フィットネスジム「SPICE UP FITNESS」の代表を務める岡部友さんだ。単なるボディメイクの枠を超え、多くの女性たちの「生き方」そのものを変えてきた彼女の哲学に迫る。
「痩せれば幸せ」という幻想を超えて
アメリカでの学生時代、日本の友人が「女性はこうあるべき」という固定観念に縛られている姿に違和感を覚えたことが、岡部さんの原点だ。フロリダ大学で運動生理学や解剖学を専攻し、アスリートの体作りを学ぶ中で、彼女の関心は「日本の女性の生きづらさ」へと向かう。
「体を変えることで自信を持てるのではないか」—そう考えた彼女は、心理学も修めた後、帰国。マンションの一室から、女性のためのサポートをスタートさせた。当初はダイエットを主軸にしていたが、現在は「単に痩せること」を目的としていない。そこには、日本人特有の骨格に対する深い考察がある。
「骨格の華奢な日本人がただ減量しても、理想のグラマラスな体にはなりません。かといって闇雲に鍛えれば、腿やふくらはぎまで太くなってしまう。試行錯誤の末にたどり着いたのが、ウエストとヒップの差を際立たせる『美尻トレーニング』でした。これなら、どんな体型の方でも女性らしい曲線美を作れるのです」
眠っている「お尻」を呼び覚ます
ヒップにフォーカスする理由は、見た目だけではない。臀筋(お尻の筋肉)は二足歩行の要であり、人体の動きの根幹をつかさどる。現代人の多くは、長時間のデスクワークにより、この大切な筋肉の「使い道」さえ忘れてしまっているという。
ステップ1:筋膜の調整(エラーを取り除く)
ステップ2:神経の練習(眠っている筋肉を呼び覚ます)
ステップ3:筋肥大(土台ができて初めて筋肉を育てる)
「骨格も環境も一人ひとり違う。だからこそ、自分の体と対話し、最適なアプローチを見つけることが不可欠です。人と比べることに、意味はありません」
トレーニングは「変えられないもの」を受け入れる作業
筋トレの神髄は、肉体以上に「心」の強化にある。岡部さんは、科学的根拠に基づき、自力では止めがちな「限界のあと数回」を追い込む伴走者として、トレーナーの重要性を説く。その限界突破の経験が、人生の困難に立ち向かう耐性を養うからだ。
一方で、彼女は「トレーニングは諦めを学ぶ場でもある」と意外な側面を語る。
「筋肉の付き方や骨格など、努力では変えられない部分が必ずあります。それは人生におけるままならない事柄と同じ。トレーニングを通じて、変えられない部分を認め、受け入れる。そのプロセスを経て初めて、『私は私でいい』という自己肯定のマインドに到達できるのです」
食事も人生も、大切なのは「幸福度」とのバランス
分子整合栄養アドバイザーとして、細胞レベルでの栄養摂取を推奨する彼女だが、そのアドバイスは決してストイックなだけではない。
「完璧な食事をしたからといって、寿命が劇的に延びるわけではありません。食事のルールに縛られて幸福度が下がっては本末転倒。何が重要で、何が不要か。自分自身で判断し、取捨選択できる知性を身につけてほしい」
私の使命は「自信」を届けること
岡部さんが提供しているのは、単なるフィットネスではない。それは、自分の体を知り、限界に挑み、ありのままの自分を愛するための「教育」だ。
「トレーニングそのものよりも、どう取り組んだかが重要です。私の使命は、女性たちのマインドを育て、自立して生きる自信を手にしてもらうこと。体が変われば、心が変わる。心が変われば、人生は必ず変わります」
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※『Nile’sNILE』2026年4月号に掲載した記事をWEB用に編集し、掲載しています。

