Joel Robuchonとその時代

ジョエル・ロブション――20〜21世紀、フランス料理の激動の時代を牽引してきた天才が73歳でこの世を去った。巨星、大家というにはあまりにも若く、完璧のさらなる向こう側を目指して構築されていく世界の設計図が、彼の頭の中に大量にあったのだろうと思う。1970年代半ば、30歳を前にして時代の寵児となったロブションは、やはり完璧を目指していたはずだ。フードデザインと彼の哲学が一体となるために修練を積み重ね、料理は伝統的な手技が生み出す文化だという原点に帰り、技術を追求し、その精度を上げることを、料理人の本分として実践し続けてきた。そして現役を退いてもなお、伝統を今に受け継ぎながら、未来を切り開いていくことが料理人の醍醐味であることを、ただただ一途に料理のクオリティーを極め、料理と向き合う姿勢を、ロブションの哲学として叩きこむことで、後進たちを育て上げてきた。

Photo Masahiro Goda

ジョエル・ロブション――20〜21世紀、フランス料理の激動の時代を牽引してきた天才が73歳でこの世を去った。巨星、大家というにはあまりにも若く、完璧のさらなる向こう側を目指して構築されていく世界の設計図が、彼の頭の中に大量にあったのだろうと思う。1970年代半ば、30歳を前にして時代の寵児となったロブションは、やはり完璧を目指していたはずだ。フードデザインと彼の哲学が一体となるために修練を積み重ね、料理は伝統的な手技が生み出す文化だという原点に帰り、技術を追求し、その精度を上げることを、料理人の本分として実践し続けてきた。そして現役を退いてもなお、伝統を今に受け継ぎながら、未来を切り開いていくことが料理人の醍醐味であることを、ただただ一途に料理のクオリティーを極め、料理と向き合う姿勢を、ロブションの哲学として叩きこむことで、後進たちを育て上げてきた。

Joël Robuchon 年譜

1945年 ポワティエに生まれる
1960年 神学校に通っていたが、地元で料理人見習いを始める
1966年 フランス巡歴職人連合組合に加入。パリのレストラン「バークレー」のシェフ・ド・パルティに
1969年 パリ近郊のホテル「アルボロ」のシェフに。プロスペル・モンタニェ賞受賞
1970年 船上レストラン「イル・ド・フランス」のシェフに。ピエール・テタンジェ賞受賞
1973年 ランジスのホテル「フランテル」のシェフに
1974年 パリのホテル「コンコルド・ラファイエット」に移り、総料理長に
1976年 M.O.F.を受章
1977年 「辻調理師学校」の招聘により初来日
1978年 ホテル・ニッコー・ド・パリに移り、レストラン「レ・セレブリテ」料理部門長に
1981年 「レ・セレブリテ」が『ミシュラン』ガイドで二つ星を獲得。パリ16区にレストラン「ジャマン」を買い取り、開店する
1982年 「ジャマン」が『ミシュラン』で一つ星を獲得
1983年 「ジャマン」が二つ星を獲得。この頃から真空調理法に取り組み、SNCF(フランス国鉄)の列車レストランの料理開発
1984年 「ジャマン」が『ミシュラン』史上最短で三つ星獲得
1987年 食品会社フルリー・ミションの技術顧問に就任
1989年 『ゴー・エ・ミヨー』ガイド1990年版で、ポール・ボキューズ、フレディ・ジラルデとともに「世紀の料理人」に選ばれる
1994年 「ジャマン」をパリ16区のレモン・ポワンカレ通りに移転し、レストラン「ジョエル・ロブション」として開店。東京・恵比寿のシャトーレストラン「タイユバン・ロブション」の料理を監督・指揮
1996年 「完璧な味とサービスを追求し、最高の状態でやめたい」として、51歳でレストラン「ジョエル・ロブション」を閉店し、引退。その後、テレビ出演やレストランのプロデュース、食品会社のコンサルタントなどの活動を続ける
2001年 マカオにレストラン「ロブション・オ・ドーム」を開店
2003年 4月に東京・六本木ヒルズに「ラトリエ ドゥ ジョエル・ロブション」を開店。5月にはパリ7区にも「ラトリエ ドゥ ジョエル・ロブション」を開店
2004年 東京・恵比寿にシャトーレストラン「ジョエル・ロブション」をリニューアルオープン。パリ16区に「ラ ターブル ドゥ ジョエル・ロブション」を開店。モナコのホテル「メトロポール」にレストラン「ジョエル・ロブション」を開店
2005年 ラスベガスに「ラトリエ ドゥ ジョエル・ロブション」レストラン「ジョエル・ロブション」を開店(2009年時点でそれぞれミシュラン一つ星と三つ星)
2006年 ニューヨーク、ロンドン、香港に「ラトリエ ドゥ ジョエル・ロブション」を開店
2009年 台北に「ラトリエ ドゥ ジョエル・ロブション」を開店
2010年 パリのシャンゼリゼ通りに「ラトリエ ドゥ ジョエル・ロブション」を開店
2015年 バンコクに「ラトリエ ドゥ ジョエル・ロブション」を開店
2016年 モントリオール、上海に「ラトリエ ドゥ ジョエル・ロブション」を開店
2017年 ニューヨークに「ル グリル ドゥ ジョエル・ロブション」を開店
2018年 パリに「ダッサイ ジョエル・ロブション」を開店。8月に73歳で死去

資料提供/辻調理師専門学校

※『Nile’s NILE』2018年11月号に掲載した記事をWEB用に編集し、掲載しています。

真のラグジュアリーとは何か

真のラグジュアリーとは何か

ラグジュアリーの定義が、音を立てて変わりゆく時代にあっても、最高峰のプロダクトを手にし、その圧倒的な美しさに触れる高揚感が、人生を鮮やかに彩る原動力であることを、私たちは知っています。
物質的な豊かさが、依然として私たちの精神を支える強靭な基盤であることに、言を俟ちません。
真の贅沢はそこから始まります。
アルゴリズムが弾き出す「正解」を疑い、自らの審美眼と直感で未踏の価値を切り拓く。
その「知的冒険」こそが、グローバリズム崩壊後の世界に残された、最後のラグジュアリーではないかと考えます。
Nile's NILE Digitalは、物質と精神、伝統と革新、都市の快楽と野生の回復――この相反する要素を「アンビバレンス」として愉しむ、選ばれた冒険者たちのためのプラットフォーム。
混沌を優雅にサバイブするための視座と、本物の体験へのアクセス権。
ここはまさにDesigning for the Exceptionalsの砦。
知的冒険者たちが集い、次なる航路を描くための、現代の港となります。

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